診療情報管理士 合格

雑記

  診療情報管理士に無事合格する事ができました。
 記録としてこの2年間を振り返りたいと思います。

 私はこれまでプログラマを2年、SEとしてシステム運用の仕事を4年程行っていました。自治体系のシステム運用や、金融系、医療系と様々な分野を経験してきました。 
 仕事に直結する事はないけれど知識のベースアップを行うためや、将来への焦りを何かに没頭する事で克服したいという気持ちから、時々資格にチャレンジしてきました。医療情報技師やOracleMaster-Silverなどもそういった流れの一環での取得でした

 診療情報管理士についても同様なのですが、これは通信教育に2年間かかる事、費用も20万円以上かかる事などからこれまでなかなか手を出せずにいました。しかし医療系のシステムに携わる者としては医療情報技師と診療情報管理士は取得しておきたいものと感じた私は2020年についに意を決して受講申し込みを行いました。そして2021年1月より98期生として勉強を開始しました。

 実はこの時、生後約半年の子供を抱えていました。そして更にコロナ禍、出産、転勤、引っ越し・・・多々の要因を言い訳に退職した無職の専業主婦でした。夜間睡眠もままならない体力勝負の毎日でしたが、あまり無理する事はなく通信教育、科目試験、試験対策をこなす事が可能でした。突如話題になり即座に消えていったリスキリングですが、私は仕事をしていなかったため、のんびりと行う事ができました。
 

診療情報管理士とは

 医療機関等において、国際統計分類等に基づいて収集・管理して診療情報の管理を行い、その蓄積したデータを分析して新たな知見のデータを提供・フィードバックする専門職です。
 データを適切に管理・利用する事で、病院全体の安全管理や医療の質向上、経営分析や方向性の決定にまで寄与する大切なお仕事です。

診療情報管理士になるには

 診療情報管理士になるには2つの方法があります。すごく簡単に言うと以下の2つの方法です。

1. 普通の大学・短大・専門学校 → 通信教育 → 診療情報管理士試験に合格
2. 日本病院会認定の大学・専門学校 → 診療情報管理士試験に合格

 社会人からこの資格を目指す場合は「1」または「2」のどちらでも良いことになりますが、
実際には仕事を続けながら「1」の方法で目指す事が多いかと思います。
 授業のボリュームや練習問題、科目試験の量から見ても仕事を続けながら、週末や仕事後の時間で無理なくこなす事ができる位だと思います。

通信教育 申し込み

申し込みの詳細はHIMの公式サイトをご確認下さい。
年に2回受講生を募集しています。
  ・1月受講開始 (4月に募集開始)
  ・7月受講開始 (10月に募集開始)

 しかしここで気になるのが「受講者選考ー審査」の部分。気になって調べてみましたが当時も今も何も情報は見つからず・・・。参考までですが私の周囲では申し込みした方で審査に落ちたという話は聞いた事はありません。

 また、現在はオンラインでの受講に切り替わっており、対面でのスクーリングやプリント教材の提出当はなくなっていました。

受講資格一般の受講資格(基礎課程から受講)原則として2年制以上の短期大学または専門学校卒以上の学歴を有する者。 ただし、現在、病院に勤務している者は、当分の間、高卒者でもよい。専門課程への編入資格医師、歯科医師、看護師(保健師、助産師)※、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、歯科衛生士、歯科技工士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師のいずれかの日本国の免許を有する者 ※准看護師を除く
修業期間基礎課程1年、専門課程1年で計2年
受講期間は通算6年とする。
受講者選考審査
受講料2年間 220,000円(消費税込)
(専門課程編入は110,000円)
※半期延長料(半年)は別途。
納入方法入講時に基礎課程分110,000円、2年目に専門課程分110,000円をそれぞれ納入する。
※受講料は受講受理通知を受けてから納入のこと。既納の受講料は返却しない。
資格診療情報管理士通信教育全課程修了者は日本病院会が実施する診療情報管理士認定試験を受験することができる(年1回、2月実施予定)。
認定試験合格者は、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)および医療研修推進財団の認定する「診療情報管理士」として登録する。
申込申込受付は、2023年4月1日~5月15日となります。

上記は2023年3月現在のものです。内容は変更になる可能性があります。

通信教育 受講

 そしていよいよ通信教育の受講です。月に何度か勉強をするというやり方でも毎日コツコツ少しずつというやり方でもとにかく終われば良いので自分に合った方法で進めていくと良いと思います。

 基礎課程を1年間、専門課程を1年間かけて受講します。それぞれ1年間(実質10か月程度でしょうか)の間で受講・練習問題を終えていれば良くペース配分も自由です。

 私はまず授業動画を家事をしながらやゴロゴロしながら、と不真面目に聞き流し、何となく何について話しているかが分かる程度になってから、練習問題をテキストを読みながら調べながらマーカーを引きながら解く、という方法で進めていました。そして練習問題を無事クリアして大体の大切なポイントが分かった後で、再び授業の動画を見るというやり方が私には一番合っていました。

 それぞれの期末には科目試験があります。試験期間は約10日間程ありその間の好きなタイミングで受講できます。各章ごとに試験があるため、基礎課程・専門課程それぞれで12科目の試験をクリアする必要があります。量が多いため気負うかもしれませんが、時間を工面する事に苦労をするものの、分厚いテキストには説明が充実していますので落第を心配する程のハードルではありませんでした。

費用

実際にかかった費用の振り返りです。
私は課金してしまったため少し余分なお金もかかってしまいました。

・基礎課程 受講料 110,000円
・専門課程 受講料 110,000円
・専門課程 購入必須書籍(ICD-10内容例示表【簡易版】) 4,330円
・試験対策
  医療の資格 模擬試験&学習教材 全商品パック
     模擬試験4回分
     基礎分野一問一答
     専門分野一問一答
     医学・医療用語語呂合わせテキスト
                      23,540円
・試験受験料 10,000円
・認定料   30,000円

その他試験会場までの交通費や昼食代、子供を預ける保育料等々雑費を込めて約30万円程度でした。

試験勉強について

 こればかりは個人差が大きいため、それぞれが目指すものに合わせて勉強をしていく事が必要だと感じました。

 実務で生かす事を目標にする場合はテキストや授業、練習問題にゆっくりと向き合い、通信教育で学ぶ事ができる事を隅々まで網羅して、知識を積み重ねて行く勉強法が良いのではないかと思います。テキストと授業の内容は同じではない章が多いため、先生方の有難いお話をノートにまとめて蓄積する事も良いかもしれません。

 一方で資格取得が一番の目標である場合には、効率良く受講と試験勉強を進めるというのもまた一つではないかと思います。資格取得をした後からキャリアをスタートさせたい場合などは、資格を取得しなくては話が始まりません。ましてや試験は年に一度しかチャンスがないため、試験対策は的を得て効率的に進めるというのも戦略としてあると思います。

 専門学校生は先生が作って下さったのであろう虎の巻や問題プリントを持っている様に見えましたし、病院勤務の方々は職場で秘伝の資料が回っているという話もお聞きしました。ですが私の様に他業種から孤軍奮闘する場合にはそういった物がなかなか手に入りません。

 そういった場合はもう、課金するしかないです。テキストと授業だけでは試験対策は難しいものがあります。量も多いですし、内容もどの程度の深さまで学ぶ必要があるのか分からないため時間はいくらあっても足りません。何から勉強すれば良いのかすら迷子になった程でした。市販されている模試を4回分こなせば、なんとなく雰囲気を掴む事ができます。難易度も本番と大きくは違わなかった様に感じます。また、一問一答のテキストもとても参考になり、このテキストにメモを書き込んで仕上げていきました。語呂合わせのテキストは暗記が苦手な私には合わず宝の持ち腐れとなってしまいましたが・・・。

 時間というリソースは限られているため、何にどのくらいの時間を割り当てる事ができるのか計画的に進めて行く事も大切です。

モチベーションの維持について

 一度やると決めてから合格まで2年半程度かかります。その間のモチベーションの維持についてですが、私は年間計画を立てて進めていました。何月に何章を進める、といった簡単な計画です。一か月に2章程度づつ進めて余裕を持って終わらせる事を目標にしていました。月ごとに自分にノルマを課していました。大それた風に聞こえますが、年度末になって慌てて消化するには量が多すぎるので注意した方がいいですよという事です。

 また、一緒に頑張る友人も居たらいいなと思いTwitterで資格を目指す同志や取得した先輩を探してフォローしていました。医事課で働く方々のリアルな日常を知る事もできとても励みになりました。試験前の不安や合格発表前のそわそわに共感したり、合格を一緒に喜び合えた友達ができた事はとても嬉しかったです。
 

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